ウイスキーとベートーベン ①

本格的に クラシック音楽なるものを 

意識して 聞き始めたのは

調律学校に 入ってからだった

 

 

音楽鑑賞の授業 というものがあった

講師の 白川先生は

毎回 様々なジャンルの曲を聞かせてくれた

 

その時 たくさんのショックを受けたものだが

中でも バックハウスの弾く 

ベートーベンに 魂が 激しく揺さぶられた

 

誰にでも 人生の中で 

幾つか 大きな出会いに 遭遇することがある

当時のベートーベンとの出会いも そのひとつに挙げられる

 

先生から たくさんのテープを借りて

バックハウスが ベーゼンドルファーで弾く

ベートーベンの曲を 聴きまくった

 

 

ピアノ協奏曲4番

 

 

あの頃から 今でも 一番好きな曲だ

いつか この曲の調律がしたい

だから 調律師を一生続けようと 心に決めた記憶がある

 

その夢は まだ かなっていない

だから もう少し 調律は続けていくだろう

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

卒業間近になって 白川先生に 

ベートーベンの ピアノソナタを 

全部 テープにダビングしてくれと お願いした

 

今 思えば ムチャで 厚かましい申し出なのだが

当時は それくらい 思いつきだけで

周りと接しては かきまわすことを ナンとも思っていなかった

 

先生は それでも どっさりとテープを持ち帰って

2週間ほどで ダビングをしてくれた

 

「杣君のおかげで ピアノソナタを 

 最初から 全部聞く機会に 恵まれたよ ありがと」

 

当時 レコードから テープにダビングするには

その曲を ずっとかけ続けなければならない

もの凄い 時間を費やして下さったことだろう

 

それにも関わらず 

お礼は ウィスキー 1本でいいと言ってくれた

 

サントリーの ダルマをなめる時

そして ワルトシュタインを 聞く度に

先生のことを 思い出す

 ∵ 日 々 創 作  ∴ 時 々 仕 事

 

10/31 動画#73

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10/ 1 作曲#115

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4/27 録音 #80

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1/11 アルバム

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1/ 8 作曲#105

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